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A Magazine for Kids Who Care About the Environment

子どもたちの好奇心を育むための環境マガジン

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Seed Magazeen

イギリス人イラストレーターのジャック・スネリングとリジー・ロマクスによって立ち上げられた、子どもたちのための環境マガジン。環境問題について楽しく学ぶことを目的に、雑誌にはたくさんのイラスト、ゲーム、コミック、パズル、アクティビティが掲載されている。これまでに「虫」「野菜」「池」「泥」といった特集を組み、身近な環境に興味をもつことから地球や自然について考える機会をつくっているほか、2人は雑誌をつくるたびに雑誌で紹介されたアクティビティを実践できる無料のワークショップを開催している。

https://seedmagazeen.bigcartel.com/

気候変動の影響を最も長く受けるのは、子どもたちだ。
にもかかわらず、どうして子どもたちが
気候変動について学べる雑誌がないんだろう?
そう考えたイギリス人イラストレーターの
ジャック・スネリングとリジー・ロマクスは
2019年、子どもたちのための環境マガジン
『Seed Magazeen』を創刊した。

2人が手がけるフレンドリーなイラスト、
ゲームやコミック、アクティビティに溢れた雑誌は、
子どもたちが環境について楽しく、
ポジティブに学ぶことを後押ししてくれる。
ジャックとリジーに、雑誌に込めた想いと
いま必要な「気候変動の伝え方」を訊いた。

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Q1

『Seed Magazeen』について教えてください。またこの雑誌はどのようにして生まれたのでしょうか?

『Seed』の構想が始まったのは2019年1月。私たちは週末をまるまる使ってブレインストーミングを行い、環境をテーマにした子どもたちのための雑誌とはどんなものになりうるだろう?と考えました。どんな内容を取り上げるべきだろう? どうやって環境に配慮して印刷をするべきだろう?とね。その当時、環境に興味のある子どもたちが簡単に手にとれるような雑誌はなかったと思います。だから私たちはこの雑誌を、ファクト、コミック、ゲーム、アクティビティを盛り込んだポジティブなものにしたいと考えました。さらに多くの時間を計画に費やし、『Seed』の創刊号は、イギリス・ブライトンにある小さな町で行われたアートフェスティバルでのさまざまなワークショップとともに生まれることになりました。

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Q2

おふたりは雑誌づくり以外にはどんな活動をしているんですか?

私たちは2人ともイラストレーターです(ほかのアーティストのための予算が限られているので、雑誌のほとんどのイラストを自分たちで描いているんです!)。私たちはそれぞれのイラストレーションの仕事を行っていますが、一緒に『Seed』をつくるのはいつだって楽しいですね。

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Q3

雑誌を読んだ子どもたち、ワーク
ショップに参加した子どもたちからはどんな声を聞くことが多いですか?

ポジティブな声ばかりですよ! それはホッとすることですね。ワーク
ショップは4〜7歳の子どもを対象にしているので、言葉選びやアクティビティが難しくなりすぎないようにかなり気をつけています。でもそれと同時に、新しいことに挑戦したり、普段は触れないようなトピックについて学んだりする子どもたちの能力を信じてもいます。

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Q4

『Seed Magazeen』が掲げる4つのメッセージ「learn」「make」「play」「grow」に込めた想いを教えてください。

この4つのキーワードは、各号のガイドラインのようなものですね。私たちは、子どもたちがこの雑誌を読むことで何かを学び、(私たちのさまざまなアクティビティから)何かをつくり、遊ぶことを通して学び──雑誌にはたくさんのゲームやコミックが掲載されています──、そして成長してくれたらと思っています。雑誌を読んだあとに、子どもたちがその号のテーマについてより豊かになってほしいと私たちは望んでいるので、「成長する」は最も大事なものかもしれませんね。

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Q5

子どもたちに環境問題を伝えるにあ
たって、どのような「伝え方」をすることを心がけていますか?

私たちは気候危機という大きな視点ではなく、ひとつのトピックに集中して伝えるようにしています。地球規模で考えれば、これはときに怖いテーマにもなりえます。だから私たちは、子どもたちが理解しやすくなるよう、身近な環境問題に対してできることに焦点を当てているんです。気候危機の話は、大人たちにとっても巨大で、途方もないテーマですから、私たちは明るいトーンで語りながらも、子どもたちが環境問題について少しずつ理解するために役立つ知恵を得られるようにしています。『Seed』を通して、子どもたちが小さな方法で地元の環境にかかわることで、私たちになくてはならない自然とそのシステムについての幅広い興味を育んでもらえたらと願っています。

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Q6

いま、子どものいる人もいない人も、
すべての大人たちが子どもたちのため
にすべきことはなんでしょうか?

私たちみんなにできることは、考えれば気が遠くなりそうなくらいたくさんあります。まずは、政府に働きかけることから始めましょう。地元の議員に向けてメッセージを書いたり、できるだけ平和的な抗議活動に参加したりすること。政治家たちが私たちの懸念について理解できるよう、政府にプレッシャーをかければかけるほどいいでしょう。もっと小さなことでも、私たちにできることはたくさんあります。例えば、再生可能エネルギーに切り替えること、季節のものを食べ、肉や乳製品の消費量を減らすこと、できるだけ再利用したり中古のものを買ったりすること。気候変動の要因と影響について正直になり、生態系や地域の自然に健全な関心をもつようにしましょう。

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Q7

この地球の未来を持続可能なものにするために、私たちはどのように地球と関わっていけばいいのでしょうか。

ほとんどはこれまでの質問でカバーされていますが、繰り返すとこうなります。まずは再生可能エネルギーに切り替えること。化石燃料という、限られ、汚染度が高く、多くの場合少数の人にのみ経済的利益をもたらす資源に頼らないようにしましょう。そして、政府にプレッシャーをかけ続け、あなたにできる小さな貢献をしていきましょう。

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Q8

未来の世代に残したい、あなたの理想の風景はどのようなものでしょうか?

天然資源を利用して利益を得るのではなく、相互に持続可能な方法でコミュニティに利益をもたらすことができるような世界を望んでいます。そして、環境への関心とアートメイキングが組み合わさることで、未来の世代にインスピレーションを与え続けられるような世界。それらのアートを通して、私たちは地球とは切っては切れない存在で、地球の恩恵を受けていることを思い出すことができるのです。

Research & Creative Direction:
SUB-AUDIO Inc.

Design: Tomomi Maezawa

Text: Yuto Miyamoto